会社は誰とはじめるのが良いのか?

以前のブログで会社をはじめるときの細かい話をしました。これは、わりと実務的な話でしたが、今回は、もう少しマクロな話をしたいと思います。会社を誰とはじめるのか、という問題です。

会社は誰とはじめるのが良いのか?

起業するなら、ひとりではじめましょう。ミドル世代のあなたなら、これまでの社会人生活でそれなりに人脈というものがあるでしょう。気の合う同僚、仕事を通じての知人、一緒に勉強した仲間、悩みを共有する友人など、既に声がかかっているかもしれません。

転職、ということであれば、知人を通すことは構わないと思います。むしろ、その方が安心できます。しかしながら起業は別です。自らが役員となって会社をはじめるなら、ひとりをおすすめします。そういう意味で、友人や知人の会社に役員として迎え入れてもらうのも、あまりおすすめしません。

なぜひとりがいいのか?

ミドル世代が複数人集まって、同じベクトルを向くのは不可能だからです。これは実際にやってみないと分からないのですが、起業前は同じベクトルに見えても、どんなに気の合う仲間でも、時間が経つにつれズレが出てきます。とくに、経営状態が悪くなってくると顕著に現れます。そして、こうしたズレは、年齢が上がるほど、調整が難しくなってきます。長い年月で形成された価値観は、ちょっとやそっとでは変えられないからです。

私はこれまで、何社か共同設立をしましたが、いずれもうまくいきませんでした。価値観の違いとは、具体的には、仕事に対する姿勢、お客様に対する考え方、お金の使い方、会社の方向性や出口、従業員に対する考え方、・・などです。そういったものが根本的に違う場合、話し合いで調整するのはほぼ不可能です。

取締役は最悪の選択

冒頭でも述べましたが、友人や知人の会社に役員として迎え入れられるというケースもあるでしょう。取締役、会社の役員というと、なんとなく高待遇な気がして、つい承諾してしまいそうです。あるいは、子会社の代表取締役(社長)として誘われるようなケースです。これも注意が必要です。

例えば取締役の場合、会社の役員としての責任が発生します。会社に何かあったら、責任を取らないといけないということです。そのわりに、最終的な決定権は多くの場合、代表取締役(社長)にあります。責任は取らされるが、決定権が弱い、それが取締役です。子会社の社長も似たようなものです。最終的には親会社の意向には逆らえません。銀行からは「雇われ社長」と見られます。私はかつて実際に銀行からそう言われました。なかなか厳しいですね。

会社はひとりではじめよう

起業するのは勇気がいります。ひとりでは心細いというのも理解できます。仲間が一緒だと心強い、資本金も分散できる、などのメリットもありそうです。でもすべて幻想です。何人ではじめようが、お金が尽きれば会社は潰れます。

仲間を増やして調整に時間を取られるなら、覚悟を持ってひとりではじめて、早期に事業の核をつくりましょう。事業の核をつくり、方向性が明確になってきてはじめて、仲間を検討してはいかがでしょうか。でも、外部から資本を入れるときは気をつけてくださいね。このあたりは、また別の機会に。


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